お釈迦さまより歴代の祖師(そし)方によってインド~中国~日本へと三国を渡り相続されてきた『正伝(しょうでん)の仏法(ぶっぽう)』。道元禅師様は宋国に渡り天童山の如淨禅師の『心身脱落』という厳しくも慈悲にあふれるお言葉を受け禅定に至ります。坐禅を勤める【わたくし】が、そのまま【仏~ほとけ~】であることを覚ったのです。そして坐禅の精神による行住坐臥~ぎょうじゅうざが~、(『行』とは歩くこと、『住』とはとどまること、『坐』とは坐ること、『臥』とは寝ること。すなわち日常の立ち居振る舞い、生活のすべてを指しのです。)
その生活の全てを愛おしみ、今ここに安住し、お互いに安らかでおだやかな日々…そして刹那を送ること…人として生まれて来たこの世界を受け入れ、真の価値を見いだしていくことなのです。

道元禅師様の開かれた永平寺の修行の根幹は坐禅にあります。それはお釈迦さまが坐禅の修行に精進され、悟りを開かれたことに由来するものです。禅とは物事の真実の姿、あり方を見極めて、これに正しく対応していく心のはたらきを調えることを指します。
そして坐ることは、身体を安定させ、息を整え、心の波を鎮めることによって、【わたくし】と【世界】の調和と同一を現成させる禅の修行が、道元禅師様の永平寺において、今もなお勤められているのです。

大本山 永平寺

大本山永平寺は寛元2年(1244)道元禅師が45歳のとき、在家の弟子の波多野義重公の招きによって、越前(福井県)に大仏寺を建立し、2年後に『永平寺』と改称したことに始まります。
深山幽谷の地にたたずむ山門、仏殿、法堂、僧堂、庫院、浴室、東司 の七堂伽藍では、道元禅師により定められた厳しい作法に従って、今もなお百人を超える修行僧達が正しき禅の修行を営んでいます。

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